はじめに
以前にも書きましたが、働くセーターのコンセプトはずっと気になっていて、でも自分ではきっと着れないなと思ってましたが、友人に質のいい毛糸をいただいたことから、友人のセーターを編む方に一気に話が進みました。あくまでわたしの中での話です。
ということで編みます。袖のついたウエアは初めてです。以下、経緯。
- 働くセーターが編みたい
- 友人に貰った毛糸に添え糸をして何か編みたい
- 細糸でショールを編み終えた今であれば、服なんかの大物も作れる気がする
- メリヤス編みバッチ来い
→ 友人に貰った毛糸に添え糸をして、友人の働くセーターを編もう、そのために添え糸となる細い毛糸を買おう、よし買った、メリヤス耐性バッチ来い、さあ編もう!
一点注意事項というかアレなんですけど、わたしはゴリゴリ数字で考える派でして、日本語はあまり得意でない分ゴリゴリ数字出してきますので、その辺りご容赦ください。
材料と道具
材料


友人にいただいた糸と、野田商店のコーン巻き糸を2本取りにしました。
友人にいただいた糸は、恐らく獣毛100%。太さでいうと並太よりちょい細いくらい? プリンセスアニー(112m/40g=280m/100g)よりちょっと細いかも。ダルマのエアリーウールアルパカ(100m/30g=333m/100g。昔は「空気をまぜて糸にしたウールアルパカ」って名前だったと記憶)と同じかちょっと太いくらい。
良い糸って長さの割に軽いから、長さと太さの関係性を出すのが難しいですね。
と言いつつ、後で書きますが換算したらエアリーウールアルパカよりもっと細そうだった。
野田商店さんの糸は、組成が綿47%、アクリル47%、ナイロン6%です。約3,350m/480gなので、698m/100g=1/6.98になりますね。
白黒を合わせた糸に、生成りの長めのネップみたいなものがついています。
コーン巻きで見ただけだとわかりませんでしたが、段染めではないとは思うんだけど、長めのループでパターン化されているみたいな毛糸でした。
道具
本家ではJamison’s Spindriftを2本取りで6号針(ゴム編み部分は5号針)で編んでいました。後述しますが、紆余曲折の末、LYKKEのUS6(4.00mm)(ゴム編み部分はUS4(3.5mm))で編みました。
![]() | 価格:26000円 |

編んでいる途中のこと
ゲージと針選び
なんせ白い方の糸の太さがわからないので、手当たり次第に色々と試してみました。わたしは手がきつめなので、指定の6号針と、その上の7号くらいで試してみた結果が下記です。
針の種類 | 素材 | 太さ | 結果 |
---|---|---|---|
Knit Pro ノバメタル | 金属 | 7号(4.2mm) | ×(大きすぎ) |
クロバー 匠棒針セットの4本針 | 竹 | 6号(3.9mm) | ×(大きすぎ) |
LYKKE 付け替え輪針 Umber | 木 | US6(4.0mm) | ○ |
竹製・木製の編み針と、金属製の編み針でゲージの違いがあるのはわかるんですよ。
でも、今回竹のクロバーと木のLYKKEで、LYKKEの方が針が太いはずなのにLYKKEの方がゲージが小さい理由がわからない。
考えうる原因としては、わたしが4本針に慣れてなかったこと、クロバーのゲージを取ってから1週間くらいしてからLYKKEのゲージを取ったこと、この糸の組み合わせを編み慣れてきたこと(わたしはどんどん目が小さくなっていく傾向あり)などでしょうか。
どれが原因かは正直わからないので、LYKKEでいくことにしました。
また、わたしは裏編みがゆるい傾向にあるので、メリヤス編みとゴム編みで1号しか針の太さを下げていない場合、ゴム編み側でもう1号下げる必要があることが今回わかりました。
本体をUS6号(4.0mm)で編み、ゴム編みをUS5(3.75mm)で編んでみたのですが、明らかゴム編みがゆるいんですよ。なので、ゴム編みはUS4(3.5mm)です。ゴム編み最初はUS5で編んでましたがUS4で編み直しましたともさ。
どうでもいいんですけど、US規格の編み針って、US6(4.0mm)の次がUS7(4.5mm)なの何なん。日本だと6号(3.9mm)飛んで8号(4.5mm)ってことでしょ。7号(4.2mm)は? 7号はまだまだ1号だけ針を替えることによる微調整が必要な域だよ……?
ラグラン線
なんせウエア初心者のもので、トップダウンセーター「左右で増やし目して、ラグラン線がわかるようにする」みたいな増やし目のやり方がまずわかりませんでした。
右利きの編み方の場合、ラグラン線の右→ラグラン線→ラグラン線の左 の順に編んでいくと思うのですが、備忘までに下記します。まじでこれがわからなくて一回編み直しました。保利尚美さんのブログに行って画像をめちゃくちゃ拡大してようやくわかった。
ラグラン線の左 | ラグラン線 | ラグラン線の右 |
---|---|---|
左ねじり増し目 | 表 | 右ねじり増し目 |
↖が見える | 表 | ↗が見える |
M1L | 表 | M1R |
袖
袖はマジックループで編みました。輪針の端が、セーターを平置きしたときの端っこに来るように編んだので、脇の下とその反対側の外側が輪針の端に来るように編みました。
が、マジックループの難しいところで、輪針の端の目がどうしても詰まってしまいました。今後はもう少し短い輪針で、マジックループでないやり方でやるべきだと思い、これを編み終わった後でSeeknitの23cm輪針を揃えました。
![]() | 非対称輪針 Seeknit(シークニット) Umber G 23cm[5号、6号、7号]【メール便配送可(6本まで)】近畿編針 高品質 日本製 国内生産 趣芸 ソックヤーン☆非対称輪針G23cm 価格:1430円 |

ガチ考察: 糸の太さについて

工業糸の知識がついてきた今(2025年9月)考えてみます(このセーターは2025年2~3月に制作しました)。
今回の働くセーターはサイズ1を編みました。
本によるとJamison’s Spindrift(105m/25g)を16玉用意して2本取りで編むことになっているので、2本取りにすると太さは210m/100g、105m×8で840m 、16玉×25gで400g消費することになる。指定針は6号です。
で、今回編み上がって水通しする前の本体は255.5g。白糸は405g→255.5g(△173.5g)、添え糸はコーンを含んで552g→460.5g(△91.5g)(メモ: 身頃を編み終えたところで残489g)。
水通し前の毛糸の消費量と消費量の合計が合わないのは、ところどころでいろいろやらかしたからだと思います。
白糸の消費量は173.5g、添え糸の消費量は91.5gなので、全体のうち約65%の重量が白糸の消費量と仮定されます(ただし何らかの事故で、2色不均等に消費している可能性が高いことを含みおきください)。
添え糸は約3,350m/480gなので、698m/100g=1/6.98。
なんやかんや計算してあげると、白糸は368m/100g=1/3.68 と出ました。
で、この2本をデニール換算して合算してやると(工業糸を合算した場合の太さがわかるエクセルを自分用に作りました、ゴリゴリ頭脳労働でよかった)、241m/100gとなります。
これは指定糸のJamison’s Spindriftの2本取り、210m/100g より細いですが、わたしは指定より細い糸を指定の針で編んだので、通常であればゲージは本来のものより小さくなるはずですが、わたしは表編みが連続する場面では、約1号分ゲージが小さくなるので、たまたま本来あるべきゲージと一致したものと考えられます。
尚、今回は少しスカスカというか、ふわふわ感を残した編地になりました。これは、本来はもっと細い針で編むべき糸を、糸の太さがよくわからないまま太めの針で編んだからだと考えられます。
また、指定糸のJamison’s Spindrift 16玉(400g)よりかなり糸の消費が抑えられている(255.5g)のは、
- 毛糸が足りなくならないように、本では分量を多めに記載している可能性がある
- 本来の糸だともっと目が詰まった編地になるので、今回製作したようなふんわり編地だと仕上がりが軽めになる
- 白糸が太さの割に起毛が少ない。指定のJamison’s Spindriftは起毛が多く、起毛同士が絡まり合うのを楽しむ糸である
- 糸端の処理の段階で取り去った毛糸をカウントしていない。またごく一部、ほこりとしてどこかに飛んでいったのかもしれない
- 身頃や袖をやや短めに編んだのかもしれない(記憶にない……)
などの原因が考えられます。
メモ
- 白糸(組成・太さ不明)、添え糸が野田商店の、綿47%・アクリル47%・ナイロン6%、約3,350m/480gなので、698m/100g=1/6.98。計255.5g。
- 使用針: LYKKE 付け替え輪針5インチUmber US6(4.0mm、本体)、US4(3.5mm、ゴム編み)
- 「働くセーター」サイズ1の通り編む。
おわりに
身頃の脇下のメリヤス編みは1日ちょっとで編み切ったことを補足します。砂漠楽しい。次会うときに渡そうと思います。
Sサイズですがこれを1着編みきったことにより、自分のL~LLサイズも編める気がしてきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
コメント